1)転送義務の概念、その法的根拠
〇医療法1条の4第3項
3 医療提供施設において診療に従事する医師及び歯科医師は、医療提供施設相互間の機能の分担及び業務の連携に資するため、必要に応じ、医療を受ける者を他の医療提供施設に紹介し、その診療に必要な限度において医療を受ける者の診療又は調剤に関する情報を他の医療提供施設において診療又は調剤に従事する医師若しくは歯科医師又は薬剤師に提供し、及びその他必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
〇保険医療機関及び保険医療療養担当規則16条
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S32/S32F03601000015.html
(転医及び対診)
第十六条 保険医は、患者の疾病又は負傷が自己の専門外にわたるものであるとき、又はその診療について疑義があるときは、他の保険医療機関へ転医させ、又は他の保険医の対診を求める等診療について適切な措置を講じなければならない。
2)転医義務の要件
?患者の疾患が自己の専門外が、自己の臨床経験ないし医療設備によって当該患者の疾病改善に困難であること
?患者の一般状態が転医のための搬送に耐えうること、すなわち、危険状態を脱していること、あるいは、既に手遅れとなっていないこと
?地理的環境的要因として、患者の病状との関連で、搬送可能な(転医可能な)地域内に適切な設備・専門医を配置した医療機関があること
?転医することによって、患者に重大な結果回避の見込みがあること、ないしその疾病改善の見込みがあること
3)転医義務の内容
?求諾義務:受け入れ先が受け入れてくれるかの承諾を得る
?転移先に対する説明義務
?適正搬送義務
以上