「東京水道長期構想への意見」
東京水道長期構想:「持続可能な東京水道の実現に向けて 東京水道長期戦略構想2020(素案)」
https://www.waterworks.metro.tokyo.jp/topic/20200131-01.html
小児科医師の立場から、東京水道長期構想へ意見致します。
1、大規模浄水場の整備について
(1)コンクリートは、60年を90年に伸ばせるように努力いただきたい。
(2)それぞれの浄水場の個別の整備計画を明らかにしていただきたい。その上で、長寿命化に向け取り組んでいただきたい。
2,多摩地区の配水区域の配水管網
配水管網を効率的な給水ができるように再編する方向性に賛成である。
3,管工事業界の顧客が水道局だけという業界の構造について
管工事業界の競争が生まれる環境、新技術が生まれる環境に向け、産官学で知恵を絞っていただきたい。特に、大学部門の研究開発に支援・連携できないか。
4、首都直下地震にそなえた水道管の整備
破損しないメインの水道管ルートを定めるべきではないか。その整備をまず行い早急に首都直下地震に備えるべきである。取組優先区域がそれをさしているかもしれないが、全市区町村に行き渡るように整備を願う。道路網も、災害時に確保する緊急路線を設定しているように。
5、災害時の給水拠点
更新された都の防災計画や市区町村の防災計画と連携し、災害時の給水拠点を定め、万が一の際は迅速に給水できるようにシミュレーション及び訓練に励んでいただきたい。今後とも、市区町村の防災訓練では、被害を想定し、連携した給水訓練を願う。
6、気候変動への対応
気候変動が激しく、降水量が減る自体も予想される。大きな振れにも対応できる余裕をもった水源管理を願う。また、最悪どの程度まで、耐えられるかの最悪のシナリオを想定し、それを明らかにしていただきたい。足りない場合は、融通し会える他の道府県との連携はできるのか。
7、水源管理
市区町村とも連携し、水源となる森林管理を願う。どのような森林管理の連携が可能か。都と区市町村が森林保全で話し合える場はあるか。
8、料金収入をCO2排出権の取引に使うことについて
料金収入をCO2排出権の取引に使うことは、独立採算である水道事業にとっては好ましくなく、取引は最終手 段とすべきであり、まずは、行わないように願う。
9,スマートメータの導入
導入し、メータ管理の人件費を浮かせるべきである。また、そのメータに対しても、産官学で新技術を導入できるようにし、安価で高性能な機器の開発を促すように努力を願う。
急に使用がされない場合の情報をフィードバックし、独居高齢者の見守りなどに都及び市区町村の福祉保健局(部)や警察などと連携し、お願いしたい。
10,選手村跡地の取組み
東京2020大会時に選手村となる晴海5丁目地区においては、電力との共同検針なども含めた、6,000戸 規模のスマートメータ化モデル事業を実施するということであり、その成果を、地元民として期待をする。
11、リーディングプレーヤーとしての水道局の役割
今後、料金の議論もなされていく中で、財務の健全性だけではなくて、経営全般の健全性を示していくという ことも必要である。ヨーロッパの水道事業では共通の性能指標が整備されていた。日本全体を最適化する観点で、 リーディングプレーヤーである都がそのような指標を整備して全国に働きかけてはどうか。との外部有識者のご意見。まさに、同感である。
もし、都外の市区町村が水道事業を民営化するようなら、そしてそれらが海外の事業者が名乗りを上げることもあるが、都の水道局が事業者として引き受けてはどうか?
12,官民連携手法の検討、料金・予算・実施方針の議会の議決を行う形で。
【官民連携手法の検討】 ○ 都の水道事業における官民連携は、将来にわたり安定給水の責任が確保できるものとする必要がありますが、 現状はコンセッションや民営化には様々な課題があります。 ○ 都は、広域水道としての一体性と責任を確保しつつ、引き続き、グループ経営を推進していきます。 ○ また、民間事業者の状況、世論、関係法令の改正など、社会経済状況の変化に応じて、新たな経営手法も検討 していきます。との記載がある。
少なくとも、料金、予算、実施方針において、最低限、議会の議決がなされるように、守るべき一線はきちんと守っていただきたい。
完全民営化は論外。論外である。飲み水は、人の生命、健康に直結するため、また、水道料金もその生活に直結するため、自治体が責任をもって行うべきものである。
経営のノウハウ及び技術革新は、現状に甘んじることなく、積極手に取り入れていただきたい。
13,政策連携団体
政策連携団体が、何をしようとするのか、見えない。
都の職員が、半分入った形で行うなどし、民間へ丸投げはやめていただきたい。
都の職員が現場をしらない(下部)組織をもってしまうと、都がやっているようで、実は、完全民営化と変わらないのではないか。
14,料金設定
都民への供給は、安全で安価な料金設定を願う。
事業者には、設備更新費用が賄えるように、その負担も入れた設定し、WIN-WINの関係を築いていただきたい。
おいしい水を世界市場に売り出すなど、余力分の水源を有効活用し、都民へは安価な水供給を願う。そして、万が一の気候変動に伴う水不足の際は、海外に売っていた余力分を都民へ回せば、リスク管理にもなる。
15,東京水道サービス株式会社、株式会社PUC
両株式会社の資本状況を、東京水道サービス株式会社は都の出資比率51.0%、株式会社PUCは都の出資比率84.5%ということであるが、都以外の出資割合も明らかにしていただきたい。
16、水道水への放射性物質の混入
3.11後の福島第一原発事故による水道水への放射性物質の混入で苦労をしたことの記載も行うべきである。
17,用語解説に「政策連携団体」「森林環境税・森林環境譲与税」、「水道法の改正、森林経営管理法の改正」の追加
政策連携団体の内容が、理解しづらい。用語解説も行うべきである。
「森林環境税・森林譲与税」「水道法の改正、森林経営管理法の改正」も重要な内容であり、用語解説を願う。
以上
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東京都水道局総務部主計課御中 東京水道長期構想:「持続可能な東京水道の実現に向けて 東京水道長期戦略構想2020(素案)」への意見2020.3.15
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