1)医師の説明義務
医師が患者に対し、
病名、
症状とその原因、
治療行為の内容、
治療行為に伴う危険、
治療を行った場合の改善の見込み、
当該治療を行わなかった場合の予後、
代わりの治療行為、
その場合の危険性、
改善の見込み
及び
当該治療行為を選択した理由
を説明すべき義務を言う(現代裁判法体系131ページ)
2)医師に説明義務が発生する法的根拠
ア契約上の注意義務として
〇診療契約という準委任契約から、
受任者の顛末報告義務(民法656条、645条)
善管注意義務の付随義務(民法656条、644条)
が生じる。
(準委任)
第六百五十六条 この節の規定は、法律行為でない事務の委託について準用する。
(受任者による報告)
第六百四十五条 受任者は、委任者の請求があるときは、いつでも委任事務の処理の状況を報告し、委任が終了した後は、遅滞なくその経過及び結果を報告しなければならない。
(受任者の注意義務)
第六百四十四条 受任者は、委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を負う。
〇診療契約締結前の場合
信義則上の義務
〇医療法1条の4第2項
医療法1条の4
2項 医師、歯科医師、薬剤師、看護師その他の医療の担い手は、医療を提供するに当たり、適切な説明を行い、医療を受ける者の理解を得るよう努めなければならない。
イ不法行為上の注意義務として
〇不法行為法上の違法阻却要件としての説明義務
医療行為は、患者の生命・健康に重大な影響を及ぼすので、具体的な医的侵襲行為毎に違法性阻却要件として患者の同意を得る必要があり、その同意を得る前提として説明義務を負っている。
〇注意義務の一内容としても説明義務を負う
3)医師に説明義務が発生する理論的根拠
以下、密接不可分の両者から理論的根拠は説明される。
〇違法性阻却事由としての承諾の前提要件(医師側)
〇患者の自己決定権(患者側の知る権利)
4)説明義務の内容、時期、説明すべき「事実」の範囲
〇説明義務の内容
その場面に応じ、患者が自己の医師に基づき説明の内容について承諾し、また自己決定するのに必要な程度に事実を説明すべき
〇説明の時期
できるだけ、早く⇒考えるゆとり、判断(自己決定)までの合理的期間を患者に与える、
〇説明すべき「事実」の範囲
?具体的患者説
当該患者の置かれた状況を前提として、合理的な患者であれば重要視する情報で、かつ、当該患者が重要視する情報
?二重基準説
具体的な患者が重要視し、かつ、そのことを合理的医師ならば認識できたであろう情報が説明されるべき
5)説明義務が発生する具体的場面
?病状あるいはこれに基づく検査の必要性等について説明する義務
?治療不可能な場面等に転院等を勧める説明義務
?診断・検査等を行うための承諾を得る前提としての説明義務
?病名についての説明義務
アがんの告知 確定診断前・確定診断後
?治療方法に関わる説明義務
ア治療の種類
イ治療の危険性
ウ治療による合併症
エ治療による副作用
オ治療の目的・必要性
カ治療の結果
?身体の侵襲を伴う治療を行うための承諾を得る前提としての説明義務
?診療契約終了時における説明義務
ア退院後等の日常生活上の注意事項
イ緊急診療後一旦帰宅させる場合の説明
ウ通院外来患者に対する説明
エ診療契約終了時における医療経過・死因などの説明
?医療相談における説明義務
?チーム医療と説明義務
6)説明義務の限界
?医療行為の特性に伴う限界
ア緊急医療
イ確定診断がついていない場合及び経過観察中の場合
ウ医療行為の侵襲が軽微な場合
エ医療行為が不可欠な場合
オ医療行為が医療水準に達していない場合
?疾病の特性による限界
ア予見できない疾病の場合
イ軽微な疾病の場合
ウ危険性が極めてまれな場合
?患者の特性に伴う限界
ア患者が医師の説明を受ける能力を書く場合
イ患者への悪影響がある場合
ウ患者が説明を受けることを拒否している場合
エ患者がすでに知っている場合
7)説明の相手方
?原則 患者本人
?例外 本人以外の者に対する説明
ア患者が判断能力を欠く場合
未成年者
精神障害者
被成年後見人
イ患者本人に対する説明が不相当である場合
ウ患者本人の判断を求める時間的余裕がない場合(緊急の場合)
8)説明義務違反についての主張・立証責任
原則として、患者側で、
〇医師に説明義務が発生すること
及び
〇医師がその説明義務を尽くしていないこと
更には、
〇説明義務が尽くされれば当該結果が生じなかった高度の蓋然性(因果関係)があること
について、主張立証責任を負う。
9)説明義務違反の効果
?説明義務違反と結果との間の因果関係が肯定される場合
?説明義務違反と結果との間の因果関係が否定される場合
*意思決定の可変性
説明を受けることで意思決定が変わることがどの程度あるのか
以上
医師が患者に対し、
病名、
症状とその原因、
治療行為の内容、
治療行為に伴う危険、
治療を行った場合の改善の見込み、
当該治療を行わなかった場合の予後、
代わりの治療行為、
その場合の危険性、
改善の見込み
及び
当該治療行為を選択した理由
を説明すべき義務を言う(現代裁判法体系131ページ)
2)医師に説明義務が発生する法的根拠
ア契約上の注意義務として
〇診療契約という準委任契約から、
受任者の顛末報告義務(民法656条、645条)
善管注意義務の付随義務(民法656条、644条)
が生じる。
(準委任)
第六百五十六条 この節の規定は、法律行為でない事務の委託について準用する。
(受任者による報告)
第六百四十五条 受任者は、委任者の請求があるときは、いつでも委任事務の処理の状況を報告し、委任が終了した後は、遅滞なくその経過及び結果を報告しなければならない。
(受任者の注意義務)
第六百四十四条 受任者は、委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を負う。
〇診療契約締結前の場合
信義則上の義務
〇医療法1条の4第2項
医療法1条の4
2項 医師、歯科医師、薬剤師、看護師その他の医療の担い手は、医療を提供するに当たり、適切な説明を行い、医療を受ける者の理解を得るよう努めなければならない。
イ不法行為上の注意義務として
〇不法行為法上の違法阻却要件としての説明義務
医療行為は、患者の生命・健康に重大な影響を及ぼすので、具体的な医的侵襲行為毎に違法性阻却要件として患者の同意を得る必要があり、その同意を得る前提として説明義務を負っている。
〇注意義務の一内容としても説明義務を負う
3)医師に説明義務が発生する理論的根拠
以下、密接不可分の両者から理論的根拠は説明される。
〇違法性阻却事由としての承諾の前提要件(医師側)
〇患者の自己決定権(患者側の知る権利)
4)説明義務の内容、時期、説明すべき「事実」の範囲
〇説明義務の内容
その場面に応じ、患者が自己の医師に基づき説明の内容について承諾し、また自己決定するのに必要な程度に事実を説明すべき
〇説明の時期
できるだけ、早く⇒考えるゆとり、判断(自己決定)までの合理的期間を患者に与える、
〇説明すべき「事実」の範囲
?具体的患者説
当該患者の置かれた状況を前提として、合理的な患者であれば重要視する情報で、かつ、当該患者が重要視する情報
?二重基準説
具体的な患者が重要視し、かつ、そのことを合理的医師ならば認識できたであろう情報が説明されるべき
5)説明義務が発生する具体的場面
?病状あるいはこれに基づく検査の必要性等について説明する義務
?治療不可能な場面等に転院等を勧める説明義務
?診断・検査等を行うための承諾を得る前提としての説明義務
?病名についての説明義務
アがんの告知 確定診断前・確定診断後
?治療方法に関わる説明義務
ア治療の種類
イ治療の危険性
ウ治療による合併症
エ治療による副作用
オ治療の目的・必要性
カ治療の結果
?身体の侵襲を伴う治療を行うための承諾を得る前提としての説明義務
?診療契約終了時における説明義務
ア退院後等の日常生活上の注意事項
イ緊急診療後一旦帰宅させる場合の説明
ウ通院外来患者に対する説明
エ診療契約終了時における医療経過・死因などの説明
?医療相談における説明義務
?チーム医療と説明義務
6)説明義務の限界
?医療行為の特性に伴う限界
ア緊急医療
イ確定診断がついていない場合及び経過観察中の場合
ウ医療行為の侵襲が軽微な場合
エ医療行為が不可欠な場合
オ医療行為が医療水準に達していない場合
?疾病の特性による限界
ア予見できない疾病の場合
イ軽微な疾病の場合
ウ危険性が極めてまれな場合
?患者の特性に伴う限界
ア患者が医師の説明を受ける能力を書く場合
イ患者への悪影響がある場合
ウ患者が説明を受けることを拒否している場合
エ患者がすでに知っている場合
7)説明の相手方
?原則 患者本人
?例外 本人以外の者に対する説明
ア患者が判断能力を欠く場合
未成年者
精神障害者
被成年後見人
イ患者本人に対する説明が不相当である場合
ウ患者本人の判断を求める時間的余裕がない場合(緊急の場合)
8)説明義務違反についての主張・立証責任
原則として、患者側で、
〇医師に説明義務が発生すること
及び
〇医師がその説明義務を尽くしていないこと
更には、
〇説明義務が尽くされれば当該結果が生じなかった高度の蓋然性(因果関係)があること
について、主張立証責任を負う。
9)説明義務違反の効果
?説明義務違反と結果との間の因果関係が肯定される場合
?説明義務違反と結果との間の因果関係が否定される場合
*意思決定の可変性
説明を受けることで意思決定が変わることがどの程度あるのか
以上